造作キッチンの腰壁にクロス(壁紙)を選ぶとどうなるの?
メリットやデメリットってなに?
キッチンの腰壁をクロスで作り成功と失敗を経験した僕ハルコウがその悩みを経験談から答えます。
この記事を読めば「造作キッチンの腰壁にクロスを使うメリットデメリット」が分かります。
造作キッチンの腰壁をクロスにすると以下のメリットデメリットがあります
メリット
- デザインとカラーバリエーションが豊富
- 貼り換えが簡単にできる
- 部屋が柔らかい雰囲気になる
- シンプルで飽きがこない
デメリット
- キズ・凹みがつきやすい
- 水・汚れに弱い
- ニッチのクロス貼りは難しい
- 巾木が必要になる
腰壁の材料を何にするかって悩みますよね。僕も相当悩みました。
悩んだ末にクロスに決めた訳とクロスにして良かったところ、また失敗したなと思うところを紹介します。
腰壁にクロスを選ぶのはどうなのか悩んでいる方の参考になれば幸いです。
わが家のキッチンの特徴はなんと言ってもネイビーカラー
北欧デザインに憧れて選んだネイビーでキッチン造作とその奥にある背面収納と色を統一しています。
でも実は打ち合わせの中で何度も悩んだのもキッチン造作でした。
腰壁をクロスに決めるまでの流れ
腰壁をクロスにするまでには何度もの打ち合わせと夫婦の話し合いがありました。
「天然木→不燃材板→クロス」の流れだったのですが、とにかくずーーっと悩んでいました。
以下がその理由と過程になります。
省令準耐火仕様住宅を選ぶために
一番最初に選んだのは”天然木”です。家を建てると考えた時からの憧れでしたので。費用はかなり高かったのですが夢を実現する為の必要投資です。
キッチンに限らず天然木はカッコいいので憧れでした。
でも断念。
なぜか?
それは”省令準耐火仕様住宅”にしたからです。家そのものが燃えにくいですよーという認定の事ですね。
国が認定してくれることで”火災保険”の割引が効くので火災保険代がかなりお得になる仕組みです。
簡単に言うと国が「お金出すから火事にならないようにしてくれ」ってことです。
ただしこの省令準耐火仕様住宅には規制があって、造作部分や天井の梁などに天然木が使えなくなります。正確には天然木などの燃えやすい材質を裸のまま設置できないという事。
憧れの天然木キッチンを選ぶか毎日の生活負担を減らすかでかなり悩みましたね。結果天然木は諦めて少しでも経済的負担を減らしたい意思が勝ちました。
だって結構な金額が割引されたから(笑)。
とは言え、ただ単純に諦めた訳ではないですよ。
天然木は使えないけど”不燃板”という天然木風な材料があることを提案されたからです。名前の通り燃えにくい材質で省令準耐火仕様住宅にも適応できるんです。
サンプルを見た感じでは天然木ほどの質感はない物の、ぱっと見では遜色ないくらいの木風なデザインでアリだなという印象。
しかも人工なので天然木のような手入れも不要。サッと拭くくらいでいいんです。
見た目も良く保険代も減ってとても良い選択でした。
と思っていたけど、それも途中で中止。
キッチン造作部分はクロス(壁紙)にすることで最終決定しました。
あれほど憧れたウッド調のキッチンを辞めクロスにした訳とは。
クロスを選んだ2つの理由
理由は2つ。
1つ目は、ダイニング・キッチンが木ばかりになってしまうから。
オーク材のキッチンカウンターと背面収納の天板。ウォールナットのダイニングテーブル。節が特徴的な天然木風の床材。
これだけ”木”が並ぶとごちゃごちゃし過ぎると感じたからです。
またキッチンカウンターの天板はオーク材を使うことが決まっていたので、腰壁を木にしたらオーク材の天板とケンカしそうで不安だったのもあります。
2つ目は、背面収納との統一感。
わが家の背面収納は完全造作です。
ここの色は家作り当初からネイビーと決めていました。メラミン化粧板とオークの天板を使用してます。
この背面収納とどう統一感を出すかを考え出したからです。
天板はキッチンカウンターと同じオーク材を使うことはすぐに決まったのですが問題は腰壁。腰壁を木にするよりもネイビーにする方がより統一感はでます。
なので最終的に腰壁もネイビーにしようと決めました。その後腰壁をネイビーする方法として化粧板で作るかクロスを選ぶかの提案を頂きました。
化粧板で作るとなると1枚では作れないので複数枚を貼り合わせることになるそうです。そうなると継ぎ目ができてしまいあまりにみっともないので即却下。
さらには表面がツルツルの材料なので問題外でしたね(笑)
一方クロスは継ぎ目なく貼ることができます。通常の壁と同じ材質なのでちょっと不安には思っていましたが、いざ完成するととても良い仕上がりです。
背面収納と材料が違うので同じネイビーとは言え若干色が違いますが、住んでいるとまったく気になりません。とても統一感がでて大満足です♪
憧れの天然木は使えなかったけどキッチン全体が統一されより北欧テイストに仕上がったので結果良かったと言えます。
クロスにした失敗点
①強度はない
造作と言うとカッコいいですがクロスを使っているので通常の壁と同じとも言えます。
鋭利な物が当たればクロスは簡単に破れるし、子どもがオモチャや鉛筆なんかを持って近くを歩くとちょっとハラハラしてしまいます。
そして角!角はすぐに凹みます!
掃除機をかけていたら掃除機の持つところをうっかり当ててしまう。子どもがオモチャを当ててしまう。とにかく何かが衝突しやすい場所ですぐに凹みます。
住んでみて気が付き「確かにそうだ」と思いましたが、打ち合わせの段階では想定していませんでした。
②水や汚れに弱い
クロスですので当然水に強くありません。
キッチンという水を使う場所で水に強くないのは完全にデメリットでしょう。普通は調理や洗い物の水が跳ぶことはないですが、ダイニングテーブルで食事をして何かの汁や食材が跳んで付着することは想定されます。
すぐに拭き取ればダメージは軽減されますが、汚れやシミは付きやすいのがネックですね。
子どもがベタベタと触ることで汚れやすいのもデメリットと言えます。
間取りが関わってきますが、我が家はキッチン横がリビングになります。リビングで遊んでいるとキッチンの側面が丁度いい背もたれ壁になるんです。
子どもは気にせず触ったりするので知らず知らずに汚れがついているんでしょうね。
ネイビーだからまだ目立たないだけなのかも…
③ニッチのクロス貼り作業は難しい
山折りの角はクロスは貼るのも簡単ですが谷折りの角は難しいです。
プロがやってもどうしても多少は隙間ができてしまうようです。これも想定外。
家の完成チェックで気が付き指摘しましたが、「どうしても多少はでてしまうので…」と言われしぶしぶ了承しました。
確かにぱっと見では分からないので普段気にすることはないですが、よく見るとやっぱり気になる!
④巾木が必要
通常の壁と同じで同じで壁と床の境に巾木をつける必要があります。
クロスを選べば必要になる巾木。基本的に巾木はカラーバリエーションがいくつかあるので床材に近い色を選べば目立たなく済みます。
キッチン前面に巾木があるなんて…と気になる方は避けた方がいいかもしれませんね。
もちろん悪い事ばかりではないです!メリットも紹介していきます。
クロスにしたことの成功点
①カラーバリエーションが豊富
とにかくカラーバリエーションはたくさんあります。キッチンに合う好きな色を選べるのはクロスならでは特権なのではないでしょうか。
またクロスの柄も様々なのでよりお好みのキッチンが作れます。
わが家は統一感を重視して通常の壁と同じ柄を選び色はネイビーにしました。
②貼り替えが簡単にできること
貼り換えが簡単なのは大きなメリットです。
天然木や不燃板を選ぶと年数劣化や取れない汚れ、最悪ひび割れなどが起きた場合でも貼り換えが難しいです。
もちろんできなくはないですが一度取り外して再度造作になるので、手間もお金もかかります。
これがクロスだとクロスを剥がして貼りなおすだけのシンプル作業で済みます。これだと費用も少なく済み定期的に何度でも貼り替えることができるんです。
しかもクロスなので工務店が行う2年点検での”クロス補修”で直してもらえるという特約付き!
③柔らかい雰囲気になる
シンプルかつ空間に溶け込みやすいクロスは部屋全体を柔らかい雰囲気にしてくれます。
壁と同じ材質と言うのも相乗効果で良く働いているのだと感じます。
④シンプルで飽きがこない
今も昔も”無地”は人気の商品です。その売りは「シンプルかつ飽きがこない」ことでしょう。
とても空間がスッキリするのでゴチャゴチャするのが嫌な人にうってつけですよ。
まとめ
いかがでしたか。
造作キッチンの腰壁をクロスにするとどうなるかをイメージできたでしょうか。
メリットデメリットありますが僕は満足できるキッチンになったと思います。
最後に一言。
憧れのキッチン像があるとは思いますが、キッチンだけに囚われずにキッチン全体またはLDK全体の空間としても考えてみてください。
造作キッチンの腰壁をクロスにするか悩んでいるあなたへ参考になってくれれば幸いです。
それでは。